春が、もうそこまでやってきている今日この頃。
『はなをくんくん』ルース・クラウスぶん、マーク・シーモントえ、きじまはじめやく、福音館書店、1967 amazon
三寒四温とは言いつつも、私の住む高地では、もう日中はコートを着ていられないほどの暖かさが続いています。
うってかわって、こちら、『はなをくんくん』の舞台は、雪深い山の中。動物たちはまだまだ冬眠中。野ねずみも、くまも、ちっちゃなかたつむりも、りすも、山ねずみも、みんなぐっすり。
あ、誰かが目を覚ましましたよ。寝ぼけ眼で感じたのは何かの香り。みんな、鼻をくんくん……。香りのする方に走ってきました。
さて、いい香りの正体は何だったのでしょうね? 春を見つけた動物たちの、うれしそうな表情にも注目です。
モノクロで描かれていることが、「冬」のイメージをさらに強調しているようで、最後のページの工夫が、「春」を見つけた喜びとして強く印象に残ります。原書(洋書絵本)のタイトルはThe Happy Day ― 春を待ち焦がれる気持ちがあふれている作品です。
さて、高知に戻り、近所をお散歩すると、どこからか花のいい香り……。見上げると赤や白の梅の花、
道端にはピンク色のホトケノザや、
水色のオオイヌノフグリ。
あ、鳥の声も聞こえてきましたよ。
『はなをくんくん』は、南国高知暮らしの私には、雪の中から春を見つけてみたい憧れの一冊です。
にこっとポイント
- 動物たちの表情に注目!寝ぼけ眼がとってもかわいいです。
- お子さんとお散歩しながら、実際に春見つけを楽しんでくださいね!
(にこっと絵本 森實摩利子)