PICK UP! 赤ちゃん絵本

16×16㎝の小さな絵本の表紙を開き、そっと草の間をのぞくと…… 色も姿もさまざまなはなのこたちが、楽しそうに遊んでいます。

あそぼう!はなのこたち

『あそぼう! はなのこたち』エリザベス・イワノフスキー作、ふしみみさを訳、岩波書店、2018 amazon

蔓でこま遊びをする、ひるがお。きのこでボウリングをする、すずらん。はなのこたちの、きゃっきゃっという声が聞こえてくるようです。

花びらや葉っぱの特徴を活かし、帽子や服をとってもかわいく擬人化しています。使っているのは5つの色のみですが、花たちはいきいきと鮮やかで、幸せがあふれてくる絵本です。

戦時中に出版されたはなのこたち― 国をこえて、時代をこえて、この絵本を愛したい

『あそぼう! はなのこたち』は、全4冊の「もりのこえほん」シリーズのうちの1冊ですが、1944年、つまり戦時中にベルギーで出版された絵本です(日本では、2018年に岩波書店から刊行されました)。

紙を手に入れるのが難しかったので、試し刷り用の紙(うっすらピンクや青みがかったもの)を使い、絵本のサイズも小さくした、という背景があるのです。

絵本の中に表現された、はなのこたちのあたたかな幸福感は、きっと、戦時中という困難な状況の中でも、多くの人の心へ届いたのだと思います。

戦争という障害があったとしても、国をこえて時代をこえて、人は絵本を通じて笑顔になり、繋がることができるはず。

また、健全な生活とあたたかな絵本体験は、すべての人の権利だと思います。子どもたちの笑顔と、天真爛漫に遊べる幸せ― 当たり前だと思っていたその風景が、とても愛しくて大切なものに感じます。

この絵本に込めた製作者たちの願いに思いをはせながら、一つ一つの笑顔を大切にしたい、そんな新たな決意を胸にこの絵本を手に取ってみたくなりました。

にこっとポイント

  • にぎやかに遊ぶはなのこたちの姿に、誰もがぽかぽかとした外に出て、遊びたくなってしまうはず。
  • シリーズ名は、フランス語で「サン・スーシ(Sans Souci)」。「心配なく、お気楽に」という意味です。気軽に、かわいらしい花たちの遊ぶ様子を楽しむことができますよ。
  • 見返しには、絵本に登場するはなのこたちが色とりどり、描かれています。ちょっとしたところまで手が込んでいるので、よく見て楽しんでみてくださいね。
  • 「キリキリヒュン!」「ひょい ひょい」など、オノマトペもたくさん使われています。ぜひ声に出して読んでみてください。

(にこっと絵本 Haru)

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