PICK UP! 空のきれいな季節に……「飛ぶ」絵本

昔々のお話です。

あるお城に、ドラゴンと戦ったことのない騎士が、そこから少し離れた洞穴に、騎士と戦ったことのないドラゴンが住んでいました。

騎士とドラゴン

『騎士とドラゴン』トミー・デ・パオラ作、岡田淳訳、ほるぷ出版、2005  amazon

騎士もドラゴンも、本を読んで、戦い方を学びます。

準備が整い、「いざ、勝負!」。

さて、その結末やいかに!?

感想を聞くのが楽しい「自由に読める」絵本

実はこの絵本には、もう一人、とても重要な登場人物がいます。

それは、お城の図書館の司書。

戦いの現場に居合わせた彼女(しかも、馬の移動図書館の途中で!)は、騎士とドラゴンにぴったりの本を差し出してくれます。

おかげで、騎士とドラゴンの戦いは、とても幸せな「はじまり」に変わるのでした。

そんなハッピーエンディングに加えて、騎士とドラゴンというワクワクする組み合わせに、愛らしくてユーモラスな絵。いつ・どこで読んでも喜ばれる絵本です。

深く読み込んで、騎士とドラゴンに共感し、「周りからこうだ、って思われていても、自分のことは自分で決めていいんだ」と話してくれた中学生もいました。

ちなみに私にとっては、「本っていいな」、そして、「こんなふうに本を手渡せる人になりたい!」と胸が熱くなる絵本ですが、「本だけじゃなくて、経験が大事だと学びました」と言った子がいたことも、正直にお伝えします。

当然のことですが、どんな絵本だって、自由に好きに読むもの。

けれども、この絵本は、どの視点でも読みやすいのか、読み終えた後の感想の種類が本当に多くて、それがとても楽しいのです。

みなさんは、この絵本を読んだ後、どんな気持ちになるのでしょうか? 『騎士とドラゴン』、ぜひ、感想をお聞かせください。

にこっとポイント

  • 戦いを知らない騎士とドラゴンが、本で戦い方を学び、勝負に挑みます。ほのぼのとして、ユーモラスな展開が楽しい絵本です。
  • 幸せ、希望、教訓⁉ 読み終えた後の感想が、人によって全く異なるのがとてもおもしろいので、ぜひ語り合ってみてくださいね。
  • 本好きさん、本に関わる仕事の方へのプレゼントにもおすすめです。

(にこっと絵本 高橋真生)

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