「どこかで なつのおと ぐんぐん ぐんぐん」お花も、豆の木も、白い雲……「ぐんぐん ぐんぐん」いぬくんとねこちゃんは、海へボートで漕ぎ出します!
『なつはぐんぐん』五味太郎、小学館、2005 amazon
エネルギーあふれる夏を、「ぐんぐん」ということばで表現した五味太郎さんの季節の絵本です。
読み手のイメージがぐんぐん広がる「海」
「夏といえば?」と子どもたちに聞くと、「入道雲」「青い空」「ギラギラの太陽」「夏休み」など様々な答えが返ってきます。
そして、その中に必ず入っているのが「海」。この絵本の表紙にも、いぬくんとねこちゃんが、海へボートで漕ぎ出すシーンが描かれています。
実は、この絵本の全11場面中5場面に「海」が描かれています。そのためか、海の場面と自分の経験とを結び付ける子も多く、読後も「ぐんぐん」イメージが広がるようです。
印象的だったのが、ある女の子の感想です。「海の色と空の色って、どっちも青だけど、同じ青じゃないね」― となりにいた男の子が、「うん、確かに!」と反応しました。
文だけでなく、絵にも、感覚を研ぎ澄まされる一冊です。
にこっとポイント
- 海、空、太陽、雲……、「夏」をぐんぐん身近に感じて、楽しめる絵本です!
- はっきりとした色づかいと太字の文字で、遠くからもよく見えるので、読み聞かせにも向いています
- 五味太郎さんの季節の絵本には、他に、『はるはゆらゆら』、『あきはいろいろ』『ふゆはふわふわ』があります。
(にこっと絵本 SATO)