運動会や音楽会など、集団行動でみんなと同じことを要求される機会が多いこの時季。「みんなと一緒」がラクにできる子もいれば、ちょっと辛くなる子もいるんです。
一人一人違っている― そういう当たり前のことを思い出させてくれる一冊をご紹介します。
『フレデリック』レオ・レオニ作・絵、谷川俊太郎訳、好学社、1969 amazon
あなたは「フレデリック」という少し変わったねずみをご存じですか?
やがて来る冬のためにせっせと食べものを集める仲間のそばで、彼はおひさまの光や色やことばを集めていました。仲間たちは、働かないフレデリックに腹を立てました。
いよいよ冬がやってきて、石の間の隠れ家にこもったねずみたち。はじめは食べものも充分でぬくぬくと過ごしていたけれど、少なくなってくるにつれ、おしゃべりをする気にもならず、震えているしかありませんでした。
そのとき、フレデリックは自分が集めた光や色やことばをみんなに披露し、仲間たちに称賛されるのです。
それぞれに得意があり苦手がある
みんなと少し違うけど、そこがいいところだという人が、あなたの周りにもきっといることでしょう。
自分らしく生きるということは、他者との違いに気づき、受け入れ、それをいかんなく発揮していくということ。
小さなねずみのお話ですが、深く広く考えさせられる一冊です。
秋の夜長にいかがでしょうか?
にこっとポイント
- あなたの身のまわりにいる人の「個性」を、この絵本をきっかけに探ってみてください。見方が変わることがあるかもしれませんよ。
(にこっと絵本 森實摩利子)