PICK UP! ひとやすみの絵本

私がこの絵本を知ったのは、Clubhouseででした。韓国の方が教えてくれたのです。

『ママとうみのやくそく』コ・ヒヨン文、エヴァ・アルミセン絵、おおたけきよみ訳、主婦の友社、2020  amazon

『ママとうみのやくそく』は、韓国でなんと17刷の人気絵本です。韓国のドキュメンタリー映画監督コ・ヒョンとスペインのイラストレーターであるエヴァ・アルミセンとのコラボ作。舞台は済州島です。

韓国で済州島は、日本の沖縄みたいなんだそうです。その済州島のヘニョ(海女さん)はユネスコ世界無形文化遺産に指定されているのですが、アルミセンは、済州島で海女たちと過ごし、この絵本の絵を描いたそうです。とてもきれいな色彩です。

そんな絵本の主人公は、「わたし」。

わたしのママは、素潜りの天才です! イルカのように泳ぎ、沢山、たこ、あわびなど獲ってきます。かつて海を離れたこともあるママですが、「フュ~イ、フュ~イ」と高く響くいそぶえは、今や、ママが生きているしるしです。

そして、そんなママより上手なのが、おばあちゃん。

ママが波にごくりと飲み込まれるのではないかと心配するわたしに、おばあちゃんは、神様との約束の話をします。

うみは ぜったいに にんげんの よくばりを ゆるしてくれやしないよ

それは、「自分の息が続くだけ潜って海の恵みをいただく」という約束です。

自然を大事にし、感謝を忘れない済州島の海女たち。おばあちゃんの「いただく」ということばは、静寂でありながら力強く、心地よく響きます。

今も済州島の海女たちは、神様との美しい約束を守りながら、海の恵みをいただいているのでしょう。赤ちゃんのサザエやあわびは獲らず、美しい海の畑を育てています。

絵本を閉じても、「フュ~イ、フュ~イ」と聞こえてきます。コロナで海に行けない夏に、この絵本で、済州島の海女さんに会ってみませんか?

にこっとポイント

  • 美しい海をいつまでも、いつまでも残したい! 海を守る人たちの考えは、環境について考えるヒントになるでしょう。
  • きれいな色彩とやわらかい絵も印象的です。

(寄稿:絵本専門士<沖縄県> 森島幸代・えほん とんとんみーず)

おすすめの記事