さあ、今年ももう少しでおしまい。来年は、どんな一年になるでしょうか。
楽しい一年を思い浮かべながら、読んでいただきたい絵本がこちら。『こよみともだち』です。
『こよみともだち』わたりむつこさく、ましませつこえ、福音館書店、2002 amazon
あるところに、こよみの家が12軒、ずらりと並んでいます。けれども、みんな家の戸を閉めて、ひとりぼっちで住んでいました。
1がつさんは、「あけましておめでとう」とお正月料理を揃えてみたのですが、ひとりぼっちはつまらなくて、友だちを探しに出かけていきます。
とんとんとん あそぼじゃないか 2がつさん
驚いた2がつさんは、「だれだ だれだ!」と雪玉を投げつけてきましたが、二人はすぐに仲良くなって、3がつさんの元へ向かいます。
…… と、こんなふうに、友だちがどんどん増えていくのですが、12か月の友だちもそれぞれの家も、とても魅力的。
絵が細かいところまで描き込まれていて、友だちみんなのキャラクターや気持ちが伝わってくるだけでなく、ことばで表現されていないストーリーが立ち上がってきます。
ああ、どの月もいいなあ、楽しみだなあ…… と、そんな幸せな気持ちになれる絵本です。
明るい色遣いも、どこか懐かしさを感じさせる絵も、おめでたい年末年始にぴったり。
最後にめくれるしかけが付いているのも楽しく、お正月に会う小さなお子さんへのプレゼントにもおすすめです。
にこっとポイント
- 12か月の「友だち」を描いた、次の一年が楽しみになる絵本です。お正月の時季のプレゼントにもおすすめです。
- 「年」「月」など、大きな時間の流れやカレンダーに興味を持ったお子さんも、興味を持って読めるでしょう。
- 少し大きくなったら、同じく12か月を描いた『みるなのくら』と読み比べてみるのもよいと思います。
(にこっと絵本 高橋真生)