冷たい北風の吹く冬。毛糸の肌触りが恋しい季節がやってきました。寒くなると、何だか編み物をしたくなりませんか? 今日ご紹介する絵本は、毛糸が大好きなフワフワさんのお話です。
『フワフワさんのいちにち フワフワさんはけいとやさん』樋勝朋巳文・絵、福音館書店、 2014 amazon
フワフワさんは毛糸屋さん。毛糸を売るだけでなく、お客さまに注文された物を編んだり、編み物教室をしたりと大忙しです。
ある日、フワフワさんは、注文されたぼうしで大失敗をしてしまいます。お教室そっちのけで、お客さまのために必死に編み直します。お友だちは、そんなフワフワさんをそっと見守ります。
この作品の素敵なところは、何といっても愛らしいイラストでしょう。人間なの? 動物なの? なんとも不思議な登場人物たちの暮らしぶりは、大人女子の心をくすぐること間違いなし。
それから、お互いを思い合う優しさも素敵です。失敗してしょんぼりしちゃったフワフワさんに、何にもできなくてもそっと寄り添うクネクネさんとブティックシマさん。無事に帽子が完成してホッとしたときに、まるで自分のことのように心配し、そして応援してくれた友だちの優しさに気づいたフワフワさんの目には、涙がポロリとこぼれます。
「あわてないで、ゆっくり ゆっくり。 そうそう、ワンツウ、ワンツウ、じょうずにあめていますよ」
私もフワフワさんの編み物教室に参加したいなぁ。フワフワさんやクネクネさんと一緒に、あたたかいミルクティーを飲みたいなぁ。
この不思議な世界にあなたも入り込んでみませんか?
にこっとポイント
- 作者の樋勝朋巳さんのエッセイもぜひ読んでみてください→こちら
- 見返しには、フワフワさんが編んだと思われる作品の数々が並んでいます。「この帽子は誰の帽子かな?」なんて想像するのも楽しいですよ。
- お友だちとして登場しているクネクネさんは、『クネクネさんのいちにち きょうはマラカスのひ』で、見事なマラカスを披露した、あのクネクネさんです。あわせてどうぞ!
(にこっと絵本 森實摩利子)