とある空き家に住みついている、ざしきわらしの「おとちゃん」。もうすぐ新しい家族が引っ越してくるので、朝からうきうきしています。
『ざしきわらしのおとちゃん』飯野和好、小学館、2016 amazon
「ここの はたけや やまも そのひとたちが たがやしてくれて また まえのように いきいき ぴかぴかの いえに なるんだよ、そしたら わたしが まもりがみさまに なるんだ、えへんっ」と、くさたばくんやつちぐりくんにも得意顔。
おとちゃんは、新しい家族と、どのような出会い方をするのでしょうか? いたずらもするけれど、明るくて優しいおとちゃんは、新しい家族を初日から助けます。きっとあなたも、おとちゃんと友達になりたいと思うはずです!
緑いっぱいの里山の風景と、音を大切にした文にも注目!
自由奔放でいきいきとしているおとちゃんは、もちろん魅力的ですが、舞台となっている春の里山の風景も素敵です。
特に、山の下の方の家に住んでいる子どもたちが、学校へ行くところを、おとちゃんたちが眺めている場面。重なり合った緑が、とても美しく描かれています。
文章は、会話中心に進んでいくのですが、「ざっ ざっ ざっ ざっ」「すっこ すっこ」と、音を大切にした表現がなされています。そのため、頭の中でイメージしやすく、物語の中にいるような気分になれます。
『ざしきわらしのおとちゃん』は、緑豊かな里山のある物語の中にいつの間にか入り込み、パワフルなおとちゃんに元気をもらえる絵本です。
にこっとポイント
- 緑が美しい里山と、生き生きとしたおとちゃんに、元気になれます。
- 低学年の小学生への読み聞かせでは、「おとちゃんに会ってみたい」「私の家にも、おとちゃんに来てほしい」などの声がありました。
(にこっと絵本 SATO)