この絵本『こたつうし』の表紙は、体がこたつの大きな牛! にっこにこの笑顔が印象的です。
『こたつうし』かわまたねね作、長谷川義史絵、世界文化社、2020 amazon
「こたつうしって、もしかして……」と、想像しながらページを開くと、「わたしは こたつうしです」と自己紹介が、はじまります。
こたつうしは、どうやら、寒くてこたつから出なくなったために、このような姿になったようなのです。やっぱり、「こたつ」と「うし」で「こたつうし」だったのだと、思わず笑ってしまいます。
ある日、こたつうしの子どもたちが「こたつって いい ものなの?」と、聞きました。
「こどもたち、ついに こたつの よさを しるときが きたようね……。さあ、はいって ごらんなさい」
子どもの牛が、1頭、こたつに入りました。「なかなか いいね!」。そして、また1頭、さらにもう1頭の子どもの牛も入って……。
みんなが入って、ぎゅうぎゅうになった、こたつうし。この後、どんな展開が待っているのでしょう?
「こたつ」と「うし」の合体というのが、ユーモラスですよね。あったかくて心地よくて、一度入るとなかなか出られない、こたつ。こたつに入ったことがある人なら、「こたつうし」の気持ちはよくわかるのではないでしょうか。
シンプルなストーリーの中、「モー!さいこう!」「しあわせすぎて うっしっしっ!」など、会話に牛ならではのダジャレが散りばめられているのも、魅力です。
また、絵は、はっきりとした色味でカラフルに描かれているので、幅広い年齢層のおはなし会で楽しめます。
「この冬は、こたつを出さない!」と決めていた人も、読めば、こたつに入りたくなっちゃうかもしれませんよ。
にこっとポイント
- こたつに体がくっついた「こたつうし」と、その子どもたちのユーモアあふれるお話です。
- 見返しは、黄色い背景に赤色の水玉で、こたつ布団と同じ模様になっています。新たなストーリーがはじまりそうな予感がする裏表紙の絵にも、注目です!
(にこっと絵本 SATO)