この絵本『よつばのおはなし』の表紙には、クローバー畑の中、気持ちよさそうな表情の女の子が描かれています。この、頭に四つ葉を乗せた子が、「よつばのこ」です。

『よつばのおはなし』かとうまふみ、佼成出版社、2023 amazon
最初のページには、「あなたは よつばを みるけたこと ある?」という問いかけ。
さあ、四つ葉を見つけるのが得意な女の子を通して語られる、もんしろちょうから聞いた秘密のお話のはじまりです!

どこかの国の小さなおうちのお庭で、毎日楽しく遊んでいた、しろつめくさの子どもたち。
ところが、ある日、よつばのこは、「あたしたち、みんな さんまいよ」「どうして、きみだけ ちがうの?」と言われ、みんなと葉っぱの数が異なっていることを気にするようになってしまいます。
気づけば、遊ぶ子も減っていき、ひとりぼっちになってしまいました。
よつばのこのように、友だちとの関わりの中で、「みんなと違う」と感じたり、他人から何か言われたことで、不安になったり落ち込んだりした経験がある人も多いと思います。
よつばのこは、ずっと同じだと思っていたしろつめくさの子どもたちから、きみだけ違うと言われ、驚いて戸惑ってしまったのですよね。
でも、ある日、もんしろちょうがふわりと飛んできて声を掛けてくれたことをきっかけに、少しずつ自分を好きになることができるようになっていきます。
そんな展開に、読者もあたたかい気分になれる絵本です。
淡くやわらかい色合いの優しい雰囲気に包まれた絵も、とても魅力的です。
『よつばのおはなし』を読んだ後は、実際に四つ葉を見つけに出かけるのもおすすめです。
近くにクローバー畑がない人も、見開きいっぱいに素敵なクローバー畑が描かれているページがあるので、ぜひ、四つ葉を見つけてみて下さいね!
にこっとポイント
- 四つ葉のクローバーを見つけるのが得意な女の子を通して語られる、みんなとは葉の数が異なる「よつばのこ」のお話です。
- 子どもから大人まで幅広い年齢で、楽しむことができます。
- 物語を読むと、そのままの自分を好きになれる方法を知ることができるかもしれません。
(にこっと絵本 SATO)