「読み聞かせの後、質問するのはよくないと聞きました。でも、うちの子はおしゃべりで、放っておいても話しかけてくるので、会話の中でついしてしまうのですが……」というご質問をいただきました。

読み聞かせ

「質問したり感想を聞いたりしてはいけない」というのは、子どもが安心して絵本を楽しめなくなるようなことをしない、ということ。特に家庭での読み聞かせの場合、お子さんが話したがったときには、ぜひ聞いてあげてほしいと思っています。

とりわけ年齢が上がってくると、絵本を読んで感じたことや分かったこと、そのうれしさを伝えたくなったりするものです。

絵本を読んでくれるのは、自分の大好きな人なのですから、話したくなったり聞きたくなったりするのはごく自然なことです。ですから、会話として、お互い感想を話したり質問したりするのは、全く問題ありません。

それに、子どもと話を聞いてみると、予想もしなかったおもしろい感想や、思わぬ深みのあることばを聞けたりして、本当に楽しいのです。同じ絵本を読み続けていると、成長が感じられてじーんとしてしまうこともあります。

どんなことばも、親にとっては宝物のような愛おしさです。家庭での読み聞かせの醍醐味ですね。

もちろん、どんなおしゃべりさんでも、時には何のことばも出てこないことだってあるでしょう。でも、それはそれ。何も言わなければ、そのままでいいのです。読みっぱなしでいいけれど、どんな反応を示しても受け入れる― それでいいのではないでしょうか。

知っておきたい、読み聞かせ後にしてはいけないこと

「おもしろかった?」と聞く

絵本に限らず、映画でも音楽でもスポーツでもかまいません。何かに感動してじーんとしているときに「おもしろかった?」「感動した?」なんて聞かれて興ざめしてしまったことはありませんか?

何かをたっぷり味わったあとの気持ちは、「おもしろい」だけではありませんよね。もっと複雑でことばにできないようなものが心に残ることがあるでしょう。そういう感覚は、子どもも同じなのです。

ましてや子どもは語彙が少ないので、ことばで表現することは大人よりも難しいもの。ですから、「おもしろかった?」「どうだった?」などの質問は避けた方がいいでしょう。

あらすじや内容・知識のチェック、要約させる

これらをしてしまう理由として、「どの程度理解できているか知りたい」ということがあるようです。

まず、絵本を楽しめているかという意味での理解度は、直接質問しなくても、子どもの表情を見てみるといいと思います。

絵本を教材にしていて、読解力を計りたいのであれば、まずは「読み聞かせの時間」と「勉強の時間」をきっちり区別し、通常の教材と同じようにしてみてはいかがでしょうか。

小学校受験が間近になるとつい……という方も少なくないのですが、読み聞かせに勉強を持ち込んでしまうと、「何を聞かれるんだろう」「覚えておかなくちゃ」と回答に意識が向かってしまうので、子どもは心から絵本を楽しむことができません。

せっかくの絵本の時間、のびのびとリラックスして過ごさせてあげてくださいね。

感動すべきと大人が思うポイントで反応が薄いときに怒る

特に教訓のある話や道徳的な物語に起こりがちなのですが、子どもが全く違うところに興味を示したときなどに、「本当に大事なのはここでしょう!」と怒ったり「どうしてこの(登場人物の)気持ちが分からないの」と責めたりすること。

押し付けや誘導を続けていると、子どもが自分の気持ちではなく、探し出した「正解」を答えるようになってしまいます。

絵本の「いいところ」は、ストーリーだけではありません。登場人物の表情や背景に描かれた小物など、自分だけの楽しみがたくさんあります。『ぐりとぐら』のストーリーを忘れていても「おいしい」カステラだけは覚えている、という人、いますよね。

心が動くポイントや感想に、正解も不正解もないのです。

 

(にこっと絵本 高橋真生)

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