「絵本の読み聞かせは頭がよくなる!」というのは本当なの? と気になる方も多いでしょう。今回は、読み聞かせの1番のポイントが「頭をよくすること」なのかを、考えていきたいと思います。
「読み聞かせをすると、子どもの脳のどこが反応するの?」という脳科学の視点からの研究があります。文章を読んでいるわけですから、ことばに関連する部分が反応しそうですが、この研究によると、絵本を読んでもらっている子どもの脳は、情動を司る部位が活発に反応していたとのこと。
これは、なんとすべり台を楽しんでいるときと同じ反応なのです!
大人はついつい「効果」を期待してしまいますが、この研究からは、「絵本の読み聞かせは子どもにとって遊んでいるのと一緒」ということが分かります。
「頭がいい」にもいろいろな意味がありますし、絵本を読むことで興味関心の幅が広がったり、夢中になって楽しんでいるうちに集中力が養われたりと、学習に役に立つスキルが育つことはもちろんあるでしょう。
でも、何より大切にしたいのは、子どもが、絵本に丸ごと入り込んで、まるで自分が冒険しているかのように、絵本の世界を味わっているということ。大人も、ぜひ子どもと一緒に、絵本の世界で遊んでみてください。
そして、毎日子どもを叱ってばかり……とお悩みのお母さん、△の目でイライラと過ごしているなら、お子さんと一緒に絵本を開いてみてはいかがですか? きっと○の目で、お子さんと楽しい時間を過ごせますよ。
※参考文献 『読み聞かせは心の脳に届く』泰羅 雅登 (著)、くもん出版、2009 amazon
(にこっと絵本 森實摩利子)