梅雨明けの季節、いよいよ本格的な夏が始まろうとしています。みなさんは、夏を迎える準備、できましたか?
夏に活躍する方々の準備は、もうできているようですよ。
『なつのおとずれ』かがくいひろし作・絵、PHP研究所、2008 amazon
かたつむりのお天気キャスターが、天気予報を伝えています。梅雨明けはもうすぐでしょう…… と。
それを見ていたお日さまは、「夏のみんな」にお知らせをするのです。
そろそろ出番だと待ち構えているのは、ソフトクリームにかき氷、すいか、メロン、カブトムシ、セミ、ひまわり、扇風機のみなさん。
よーい、どん! で走り始めました。
途中、出遅れた他の仲間も加わって、たどり着いたのは、流しそうめんのじっちゃんのところです。
そこは滑り台になっていて、勢いよく滑り降りたみんなの先にいたのは、なんとお日さま!
「夏のみんな」は、勢いよくお日さまの口の中へ。
そして、「ぐもももももも」と力をためたお日さまが、お口を「パッカー」と開けて、下界へと、みんなを送り届けるのでした。
かがくい作品の素晴らしいところは、身近な物の擬人化と多用されるオノマトペ。
この作品でも、その良さが存分に発揮されています。緩急ある文章に、読み手も聞き手も引き込まれること間違いなし、ですよ。
そしてみなさまどうぞ、熱中症にはお気をつけて。
にこっとポイント
- 夏はどうやって始まるのかな? 夏に活躍する「夏のみんな」のお話です。
- オノマトペも面白いですが、「夏のみんな」のネーミングもさすがです。蚊取り線香は「かとりせんころうさん」、金魚鉢は「きんぎょばちかさん」。それぞれの表情と合わせて楽しんでほしいです。
(にこっと絵本 森實摩利子)