PICK UP! ハロウィンに読みたい絵本

一面に雪が降りつもった朝。なめらかに続くまっさらな雪の上に残っているのは、誰の足あとでしょう。

ゆきのあさ
『ゆきのあさ』ステディ・ブロコリ作、アノニマ・スタジオ、2015  amazon

『ゆきのあさ』の一番の特徴は、さまざまな動物たちの足あとが、ページに型押しされていることです。

雪が降りつもった朝の、どこまでも続くまっ白な世界。そこに動物たちの足あとが点々と残っている情景が、シンプルでありながらとても楽しいしかけで表現されています。

型押しされた生き物たちの足あとはさまざま。「どんな動物だろう?」と、指でなぞりながらその先を辿っていくと― 木や岩の影に隠れている動物たちをめくって探せるしかけが用意されています。

そしてしかけをめくってみると、現れるのはカラフルな生き物たち。まっ白なページに美しく映え、夜のうちに止まっていた時間が動き出したこと、生き物たちが雪の中で活動し始めていることを伝えてくれます。

加えて、全ページを一本の道のようにじゃばらに広げることのできるしかけもあります。ダイナミックなだけでなく、まるで動物たちの足あとを追いながら、雪の中を歩いているかのように感じられます。

雪の朝の空気を味わえるたくさんのしかけを通して、生命がいきいきと動き出す朝を、ぜひ皆さんにも、目で、指で、じっくりと堪能ほしいです。きっと、雪が降るのが楽しみになりますよ。

にこっとポイント

  • この絵本は、型押しやめくるしかけが施された、文字なしのしかけ絵本です。「ゆきのあさ 」を充分に堪能できる趣向で、大人も子どもも目や指、五感を使ってじっくりと味わうことができます。
  • 静かに過ぎた雪の夜があけ、生き物たちの息づく朝がきた喜びが感じられます。

(にこっと絵本 Haru)

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