『ゆきのけっしょう』武田康男監修・写真、小杉みのり構成・文、岩崎書店、2019 amazon
「きょう いいもの みつけたよ。よーく めを こらしていたら だいはっけん。」
雪の中にきらっと光る、雪の形。雪の結晶はどこで生まれて、どのようにしてみんなのもとにたどり着くのか。
「けっしょうのあかちゃん」が生まれたその瞬間から、精密で美しい写真とともに、その道筋を追っていきます。
さまざまな姿へ変わっていく雪の結晶
雪の結晶は、どこで生まれるか知っていますか?
小さな小さな水の粒や湿り気が、あるとき、ぱきん、と凍って結晶の赤ちゃんが生まれます。
実は、生まれたときは、「けっしょうのあかちゃん」たちはみな同じ形なのです。
そこから角に枝を伸ばし、新しいでっぱりができ…… と、幾何学的な美しさを身につけていきます。
しかし、この絵本は、ただその美しさを伝えるだけではありません。「ほんとうはね、ととのった かたちの けっしょうは あまり みつからない。」ということも教えてくれるのです。
溶けたり、絡まったり、壊れたり、はたまた、氷の粒をまとって太っちょになったり、他の結晶と合体したり、なんてこともあるようです。
まるで経験によって個性を身につけていく人間のようですね。
そんな雪の結晶のロマンあふれる旅を、写真絵本でじっくりと眺めてみてください。
にこっとポイント
- 雪の結晶たちの辿る軌跡を追うことができます。はじめは同じ形だった結晶がさまざまな様相となって空の下へおりてくることを知り、その過程に思いを馳せることができます。
- わずか0.01mmの大きさの雪の結晶を、高性能なカメラで美しく記録しています。本当の大きさがわかるよう、実物大の写真もそえてくれているので、わかりやすいです。
(にこっと絵本 Haru)