空気はひんやりすずしくなって、コーン畑は枯れ色に、大地は、おち葉で色とりどり。
― そんな季節になると、あちらこちらで見かけるのがパンプキン!
秋の季節になると、怪しげな笑みを浮かべて店頭に並んでいるオレンジ色のかぼちゃのランタン。ハロウィンも、最近はなじみ深くなってきましたね。日本の緑色のかぼちゃとはまた違った色合いで、見ているとなんだかウキウキしてきます。
でも実は、そのかぼちゃたちにも、秋に姿を目にするようになるまでの「物語」があるのです。
『パンプキン』ケン・ロビンズ写真&文、千葉茂樹訳、B L出版、2007、amazon
『パンプキン』は、パンプキンの種まきから、生長して実になり、どのように姿を変えていくのかを写真で追った絵本です。ハロウィンのかぼちゃの、本場の迫力を目の当たりにできます。
写真でじっくり。実は知らなかったパンプキンの一生
春、種がまかれて、芽を出し、花を咲かせ、だんだんと膨らみ色も変わりながら、オレンジの立派な<パンプキン>になっていく様子― この絵本は、季節を通してめぐる命、パンプキンの一生を見せてくれます。
ハロウィンで様々な顔を彫られ、「おばけランタン」として大活躍したその後は、パンプキンは朽ちていきます。イベントの華やかさから一変、少し寂しげな気持ちになりますが、命が巡りまた「パンプキンの季節」が来ることに気づかせてくれるのです。
写真だからこそ伝えられるその色合いやパンプキンの迫力を、じっくり味わってみてくださいね。
圧巻の大きさ! いろんなパンプキンたち、あなたはどれが好き?
パンプキンの大きさコンテストでは、450kgを超えるパンプキンも登場します。大人くらいの大きさのある巨大なパンプキンは圧巻で、我が家では歓声のあがるページです。
また、農場にゴロゴロと並ぶパンプキンたちの姿にも、ウキウキした気持ちになります。平べったかったり、細長かったり、ひしゃげていたり、一つとして同じ形のない個性的なパンプキンたちが、「おばけランタン」になるのを待っているのです。
あなただったら、どのパンプキンを家に連れて帰る?
大人も子どもも絵本の中に入ったかのように盛り上がれること、間違いなしです。
にこっとポイント
- 写真絵本だからこそパンプキンの一生がリアルに伝わってきます。親子でじっくり読んでみてください。「どのパンプキンが好き?」と聞き合ってみるのもいいですね。
- 仮装だけではない、ハロウィンの一コマを知ることができます。イベントの主役「パンプキン」にフォーカスした絵本で、新しい視点で季節を感じることができます。
- 旬の秋だけではなく、一年を通してパンプキンの物語を追うことで、巡る命の尊さに気づかせてくれます。
(にこっと絵本 Haru)