PICK UP! みんなでワイワイ読みたい絵本
とけいのえほん

『とけいのえほん』とだ こうしろう、戸田デザイン研究室、1995 amazon

表紙に描かれた、シンプルで大きな柱時計。

絵本の中も、柱時計の形はそのままなので、まるで、この時計を1日中ずっと見ているような感覚になります。

午前1時から夜の12時までが1時間ごとに区切られ、今はどんな時間なのか、太陽や空はどのようになっているかなどが、デザイン性が高くわかりやすい絵で、表現されています。

たとえば、「ごぜん4じ」。見開きの左のページには、まだ外が暗い中、早起きして仕込みを始めているお豆腐屋さんの姿が、右のページには時計が描かれています。

とけいのえほん_中ページ

そうです、この絵本に書かれているのは、時刻のみで、絵を説明する文は何もありません。しかし、絵を見ていると、その時間のイメージが、頭の中にどんどん広がっていきます。

「ごぜん8じ」は、楽しそうな登校風景、「ごご5じ」は、夕日の沈む海に佇む人と犬、「ごご7じ」には、家族全員でテーブルを囲んだ夕食……。

『とけいのえほん』の魅力は、時計の見方が覚えられることではなく、時間とその時間帯のイメージが自然と理解できることです。

親子で読むときには、ページをめくりながら、自分たち家族の生活スタイルに少しアレンジしながら、おはなしをつけ加えても伝わりやすいです。

「時計」や「時間」に興味を持ちはじめた子に、おすすめの絵本です。

『とけいのえほん』と『とけいのほん』の違いは?

『とけいのえほん』は、美しい絵から、時間の概念をつかむことができるようになっているので、絵からイメージをふくらますことが得意な子や、まだ字は読めないけれど時計に興味を持った子に、『とけいのほん』は、時計のことを教えてもらえる物語なので、おはなし好きの子どもに、よりおすすめです。

どちらも人気の絵本なので、迷ったら、ぜひ両方を楽しんでみて下さい!

にこっとポイント

  • 美しい絵が魅力の、時計についてや時間の概念を自然に学ぶことができる絵本です。
  • ページをめくるたびに、左右に揺れる振り子も、とてもかわいいです!
  • 巻末の分かりやすい時計の説明や奥付のページに書かれた作者のメッセージにも、注目です。

(にこっと絵本 SATO)

おすすめの記事