『とけいのほん 1』まついのりこ、福音館書店、1993 amazon
散歩に出かけた「ちび」と「のっぽ」。そこに、「とおせんぼ とおせんぼ いま なんじか おしえてくれたら とおしてあげる」と、どんぐりぼうやが現れます。
咲いていたお花を使って時計をつくり、ちびとのっぽが針となって、どんぐりぼうやに時計の見方を教えてあげます。
細く長く続く白い道を進んでいくストーリーの中に、何度も時計が登場し、「7時」「10時」などのちょうどの時間と、半(30分)の時間が分かるようになっています。
そして、最後に書かれているのは「もっと すすみたいひとは、とけいのほん②をみてごらん」という一文。というわけで、『とけいのほん2』も、のぞいてみましょう!
あわせて読みたい『とけいのほん 2』
『とけいのほん 2』まついのりこ、福音館書店、1993 amazon
『とけいのほん 2』に登場するのは、おばけのぼうや。星が輝く夜道を進みます。
こちらの絵本では、このように、「10じ 17ふん」というように何時何分かまでの時計の見方を教えてくれますよ。
『とけいのほん』は、おはなしを楽しみながら、時間の概念や時計の見方まで知ることができる絵本です。
絵本の背景色と、軽やかな文に注目!
『とけいのほん』は、どんぐりぼうやにおばけのぼうやと、登場人物がかわいく、長く続く道を、読者も一緒にお散歩している感覚にもなれる絵本ですが、絵と文にも魅力が詰まっています。
まず、絵の背景色。『とけいのほん 1』では淡い緑色、『とけいのほん 2』では夜空の青色でほとんどのページが統一されていて、どのページも自然と時計が目立つような工夫がされています。
また、文は、とても丁寧で軽やかです。たとえば『とけいのほん1』では、短針と長針の動き方の違いを
どんどん あるくと とけいも すすむ ちびがすこし すすむまに のっぽは どんどん うごいていくよ
と表現していて、子どもにも分かりやすいだけでなく、心地よいリズムの文となっています。
おやすみ絵本として、おはなしを読んであげたり、時計に関心を示したときにプレゼントしたり、子どもの年齢や興味に合わせて楽しめる一冊です。
『とけいのほん』と『とけいのえほん』の違いは?
『とけいのほん』は、時計のことを教えてもらえる物語なので、おはなし好きの子どもに、『とけいのえほん』は、美しい絵から、時間の概念をつかむことができるようになっているので、絵からイメージをふくらますことが得意な子や、まだ字は読めないけれど時計に興味を持った子に、よりおすすめです。
どちらも人気の絵本なので、迷ったら、ぜひ両方を楽しんでみて下さい!
にこっとポイント
- ストーリーを楽しみながら、時計の見方も理解できるよう工夫されています。
- 登場人物の細かい表情まで、じっくりと見ると、それぞれ違って面白いですよ。
- かわいいケース付きの「とけいのほん2冊セット」もあり、プレゼントにおすすめです。
(にこっと絵本 SATO)