「あつい あつい どこかに すずしいところは ないかな?」
『あつい あつい』垂石眞子さく、福音館書店、2019 amazon
日照りの暑さに、たまらなくなったペンギンは、休むのにちょうどよさそうな日陰を見つけます。
「ひかげだ ひかげだ ああ すずしい」
ところが、その日陰は、アザラシの影だったのです。
「ぼくだって あついんだよ」と言うアザラシとペンギンは、再び、すずしいところを探しに行きます。
そして、ペンギンとアザラシ、2匹が入れそうな、さっきより少し大きな日陰を見つけます。しかし、その影は……。
大きさの違う動物たちと、くり返される展開が楽しい!
やっと日陰を見つけて、休めると思ったのに、実は……、というくり返しや、子どもが大好きな動物が次々と登場することもあり、年齢の低い幼児でも、興味を持って絵本に集中できます。
また、日陰を探す場面では、背景が日照りを象徴するような黄色で描かれていることにも注目です。
そして、暑いときには日陰ならすずめること、動物の身体のサイズが大きくなれば大きくなるほど影も大きくなることを、自然と伝えられているのもこの絵本の魅力です。
にこっとポイント
- ペンギンをはじめ、サイズの違う動物たちが、すずしいところを探しに出かける、くり返しが楽しいおはなしです。
- 暑い夏に読むと、読後、スカッとさわやかな気分になれます!
- 動物たちが仲良く眠る裏表紙の絵も、ほほえましいです。
(にこっと絵本 SATO)