絵本を読み終わったと思ったら「もう一回読んで!」。毎晩毎晩くり返される「もう一回攻撃」に悩まされている人は少なくないでしょう。
心底うれしそうな子どもに対し、さっき読み終わったのに、なんでまた……とちょっとつらい大人。その差は、一体何なのでしょうか?
実はこれは、子どもの脳が影響しているんです。
子どもにとって、絵本の読み聞かせは遊びと同じ。
大好きなすべり台を、くり返しくり返しすべるお子さんの姿を思い出してみてください。
このくり返しと「もう一回読んで!」は子どもにとっては同じこと。すごく楽しい、大好きという気持ちの表れです。だから、「もう一回!」は、絵本を読んだ人にとっては、最高のほめことばなんですよ。
さて、子どもの遊びの一部に、最近急増しているのがスマートフォン。知育アプリなどは、子どもは大好きですよね。子どもがスマホに夢中になっている間に家事を……ということもあるでしょうから、スマホ育児はだめだというつもりはありません。
ただ、一つだけ言いたいのは、スマホを使っているときは、機械としか向き合えないということです。スマホと子どもの間には、豊かなコミュニケーションは生まれません。でも、絵本の読み聞かせでは、読んだ人と子どもが、お互いに共感できる豊かなコミュニケーションの世界が広がっています。
1日少しずつでも親子の交流のために絵本を読んで、スマホとは、「ちょうどよい距離感」を保っていきたいものですね。
絵本『もっかい!』は、この「もう一回攻撃」のお話です。ぜひ読んでみてください。最後のページのしかけを、お楽しみに。
『もっかい!』 エミリー・グラヴェット作、 福本友美子訳、フレーベル館 amazon
※「子どもにとって絵本の読み聞かせは遊びと同じ」ということについて、もっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ!→絵本の読み聞かせで頭がよくなるって本当? 大切にしたいのは「入り込んで楽しむこと」
(にこっと絵本 森實摩利子)