PICK UP! 空のきれいな季節に……「飛ぶ」絵本

この絵本の帯にはこんなことが書かれてあります。

絵本のうしろにあながあいちゃった!どうしてかな?

実際に、裏表紙には何やら焼け焦げたような穴が空いています。何だかワクワクしませんか。

もっかい!

『もっかい!』エミリー・グラヴェットさく、福本友美子やく、フレーベル館、2012(新装版 2021) amazon

絵本にはカバーが付いていることが多いですね。そして、ほとんどの絵本にはカバーとともに帯がついています。絵本を読むときは、それらを外した方が読みやすいことはご存じだと思います。

『もっかい!』のカバーは、赤い表紙の絵本を持つドラゴンの子どもですが、カバーを外すと、それとは違う表紙が現れます。それも何となく重々しい感じの…… どこかで見たような……?

さあ、さらに中表紙を見てみましょう。そこには、先ほどのドラゴンの子ども。そしてその手には、まさにこの絵本が抱えられています。

その上、タイトルが『もっかい!』だからか、全く同じ中表紙がもう一回現れます。珍しい構造ですね。

おやすみ前に絵本を読んでもらったドラゴンの子どもは、面白かったからでしょう、「もっかい!」とおねだりします。

でも、お母さんはだんだん眠くなって来て、3回目のリクエストの時には、「あした もっかい よんであげるから」とお話を作り変えてしまいました。

そして4回目には、グーグー寝てしまったのです。

それでも子どものドラゴンは何回も何回も「もっかい!」を繰り返しました。そして、とうとう……。

後は読んでのお楽しみです。絵本のあなの秘密も、きっとわかりますよ。

にこっとポイント

  • 子どもの「もう1回!」のリクエストとお母さんのやりとりが楽しい絵本です。
  • カバーを外すと、違う表紙が現れる絵本って、案外あるものです。例えば『あおくんときいろちゃん』(至光社)、『シニガミさん』、『シニガミさん2』(えほんの杜)。こういう絵本を読むときは、あえてカバーをつけたまま提示して、おもむろにカバーを外してみるといいと思います。他にもあると思うので、ぜひ、探してみてください。

(寄稿: 絵本専門士<東京都> 鴫原晶子 / 保育者養成校講師)

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