女の子が雲の中のすべり台をすべっている!…… ような表紙です。その笑顔に引き込まれて思わず手に取って見てみました。
『す〜べりだい』鈴木のりたけ、PHP研究所、2015 amazon
はじめはどこの公園にもあるような普通のすべり台を「それー」とすべっています。
次のページは、すべりだいが長ーくなっていて「すーーーーーべりだい」をすべろうとしています。
では、その次は…?
いくつか後に「すべりさい」が現れて動物のさいも登場し、一緒にすべります。
思いもつかないような色々なすべり台が、これでもか!と出てきます。中にはジェットコースターよりもすごいすべり台まで。読み進めていると、女の子と一緒に同じすべり台を滑っているような感覚になってしまうから、不思議でもあり爽快でもあります。
「よくぞ考えたこと!」と感心するようなすべり台のバリエーションに、子どもだけではなく、大人もワクワクしてしまうでしょう。
のびのび読んで、のびのび遊んで
この絵本は、すべり台の形と本文の文字(字の大きさなどにも注目してみて下さい)に合わせて、「すべりだいーーーーー」とか「す〜〜〜べりだい!」と指で絵をなぞりながら、お子さんと一緒に読み進めるとより楽しいと思います。
6月末に3ヶ月ぶりに保育園で、<絵本のおばさん>をさせていただいてきましたが、3歳の子どもたちは大喜びでした。「すご〜い!ながい!!」「どうなっちゃってるの?」とか思いついたことを口々に言いながら、一緒に楽しんできました。
すべり台はお子さんに年齢によってはかなり高いところからすべります。「気をつけて遊ぶ」のではなく、「思いっきりのびのび遊ぶ」ためにお子さんが幼ければ幼いほど、大人は目を離さないでほしいものですね。
その意味で、この絵本にはまずできないと思われるすべり方が出てきますから、ぜひ絵本の中でこの女の子と一緒にすべって楽しんでほしいです。
にこっとポイント
- 思いもつかないような色々なすべり台が「これでもか!」と出てくる、楽しい絵本です
- 同じ作者による『ぶららんこ』(PHP研究所)があります。こちらもぜひ、見てください。
(寄稿:絵本専門士<東京都>鴫原晶子 / 保育者養成校講師 )