こんな実験を聞いたことがありますか?
蚊に刺されやすい妹のために、高校生のお兄ちゃんがした実験。蚊がどんなにおいが好きなのか、妹の衣服で調べたんです。
すると、靴下に蚊が集まることを発見! どうやら「匂い」ではなく、足裏の常在菌に惹かれる種類の蚊がいるらしい。足をアルコールで消毒すると、蚊に刺されるのが3分の1に減少したそうです。すごい発見ですよね(詳細はこちら)。
さて、そんなふうに、みんなに嫌われる蚊の絵本をご紹介。『カ どこいった?』です。
『カどこいった?』鈴木のりたけ作、小学館、2018 amazon
「あ カ いた!」
さあ、ページを勢いよくめくり「パーン」と音をたてて、蚊を退治…… あっと、逃げられちゃった!「カ どこいった?」
蚊は、次から次にいろんなところに逃げていきます。さあ、今度こそやっつけてやる! と思っても、なかなか退治できません。
現実世界でも、退治するまではみんな躍起になりますよね。このお話も同じです。
ありえない場所に次々止まる蚊。やっつけたいけど、これで叩くと後が大ごとになるぞ~と心配するような場所ばかりに蚊は止まります。叩く? 叩かない? そんな逡巡もまた楽しい。
さあ、いよいよ最後のページ。
「カ いた! こんどは ほんの うえにとまった」
最後は退治できるかな? それは読んでのお楽しみ。
にこっとポイント
- 夏のおはなし会におすすめ。多くの人が経験している蚊への苛立ち、そしてやっつけた時の喜びを共有できて、気持ちを一つにして盛り上がれる作品です。
(にこっと絵本 森實摩利子)