力強い入道雲のメカニズムがわかります。

にゅうどうぐも
『にゅうどうぐも』野坂勇作さく、根本順吉監修、福音館書店、2018 amazon

夏の代名詞「入道雲」。小学生の頃、海の絵を描けば必ず地平線の向こうに入道雲を描いていたことを思い出します。「かみなりぐも」とも言うそうですが、この絵本では、その発生のからくりが丁寧に書かれていて、よく理解することができます。

まっ青な空に浮かんでいた雲がだんだん大きくなり、それに伴いあたりも暗くなっていく……。そして雷と土砂降りの雨。やがて雨が上がり雷もおさまると、空には美しい虹がかかります。

夏休みの宿題に、自由研究がある小学生もいますね。もし、「雲」に興味を持ったのならば、あちらこちらで見かけた雲の写真を撮って、ここに描かれている雲と比較してまとめてみるのも面白いのではないでしょうか。

今年の夏休みに、作者である野坂勇三先生の講演を伺いました。「絵本はバーチャルリアリティーではありません。実体験に絵本を通した体験を加えて、子どもたちは日々科学しています」― 大人もそれに付き合いたいものです。

にこっとポイント

  • 縦に開く絵本です。入道雲の発生から消滅まではリアルに描かれているのに対して、そのふもとにいる人たちや家などはシルエットで表現されています。目も口もなく真っ黒ですが、読み進めて行くうちに、登場する人たちの表情も読み取れます。
  • 入道雲が消えた夕方の場面(最終ページ)がとても美しいです。

 

(寄稿:絵本専門士<東京都> 鴫原晶子)

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