今も沖縄で食べられているお餅、「ムーチー」にまつわるお話です。

おにムーチー『おにムーチー』蒲田佐多子文、大湾宗弘絵、沖縄時事出版、2010 amazon

旧暦12月8日― 今年(2019年)は1月13日― 、沖縄が最も寒く、海風が強く、海の色は深い群青色になり、冬の顔を見せてくれる頃、沖縄では「ムーチー」という独特のお餅を食べます。

では、なぜこの「ムーチー」を食べるようになったのか― 沖縄の民話絵本『おにムーチー』をご紹介します。

昔、ある兄妹が、今の首里金城付近に住んでいました。妹は、とても働き者で、賢く、優しい人でした。

しかし兄は大変な怠け者で、働きもせず、いつもぐーたらと過ごしていました。その上、夜になると家畜に手を出すばかりか、とうとう子どもまで食べてしまうようになってしまいました。

そうです! なんと兄は、「鬼」となっていたのです。

すでに子どもがいた妹は、「わが子が食べられたら大変だ」と思い、鬼を倒すことにしました。兄の好きなお餅「ムーチー」を作り、洞窟に住んでいる鬼となった兄をおびき寄せます。そして、崖に落とし、退治するのでした。

この物語は、いろんな形で言い伝えがあるようですが、この絵本の物語をご紹介しました。

今でも沖縄では、鬼を退治した日である12月8日を、厄払いの日としています。「ムーチービーサー(鬼餅寒)」とも、「カーサムーチー(サンニン<月桃>の葉で巻くことから)」とも言われています。

ムーチーは、月桃の葉に包み、蒸して食べます。紅芋・ウコン・黒糖など、たくさんの味が楽しめます。

 

子どもが、食べものに困らないように、そして、健康でありますようにとの願いをこめて、家の外にこの「ムーチー」を、子どもの歳の分出して置くそうです。

もし、鬼がきたら退治できますからね。

にこっとポイント

  • 沖縄では、よく冬に読み聞かせされている絵本です。
  • なにより、「ムーチー」がおいしいです!!

 

(寄稿:絵本専門士<沖縄県> 森島幸代・とんとんみー)

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