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ほしになったりゅうのきば

『ほしになった りゅうのきば』君島久子再話、赤羽末吉絵、福音館書店、1976 amazon

むかしむかし、ある村に、じいさまとばあさまが住んでいました。ある日、二人のところへ大きな石の中に入った男の赤ちゃんがやってきます。

じいさまとばあさまに、英雄という意味の「サン」と名付けられたその男の子は、やがて立派な若者になります。

その頃、南の山と北の海に住んでいた二匹のきょうだいの竜がケンカをして、天が破れてしまいました。

サンの村の上の天の裂け目からは、雨が滝のように降り、ひょうが石のように落ちてきます。「天のさけめを つくろうには、どうしたら いいだろう」と、村のみんなを助けるため、サンは胸を張って出かけます。

さて、サンは、無事、村を救うことができるのでしょうか? また、どのような方法で、天をつくろうのでしょうか? 天の川にまつわる中国民話です。

場面ごとに工夫がみられる、赤羽末吉の絵が魅力的!

表紙には、大きな赤い竜と、その口を開け、牙を抜いている若者の姿が描かれています。

強いイメージのある竜が、なぜ涙を流し、牙を抜かれることになったのかが、とても気になり手に取ったこの絵本。読んでみると、天が裂けてしまう展開と、「銀河」や「星」にまつわる壮大なお話だったことに驚きました。

横長の絵本ですが、片面を使ったり、見開き全部を使って描いていたりと、この形を上手に活かした赤羽末吉の絵も、とても印象に残ります。たとえば、「ウリュー山は、たかくそびえて、石のはしらのよう」という場面では、絵が縦に描かれていて、そびえ立つ山がイメージしやすいように工夫されています。

サンが大きな石から生まれたり、竜が登場したり、天が裂けたり、村を救う旅にサンが出かけたりとエピソードも多く、読み応えのある民話です。読後、夜空を見上げると、このお話を思い出すかもしれませんよ。

にこっとポイント

  • 二匹の竜の兄弟喧嘩で天が裂け、その被害を受けている村を救うため立ち上がった若者サンが主人公の中国民話です。1976年に出版されたロングセラー絵本です。
  • 「みどりのわらじ」「青いてぶくろ」等、途中で出てくるアイテムにも注目です!
  • 勇敢なサンの行動力に、読者もパワーをもらえるお話です。

(にこっと絵本 SATO)

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