「ここは おばけマンション。たくさんの おばけが すんでいます」
『おばけマンション』鈴木翼文、村上康成絵、世界文化社、2016 amazon
どんなおばけが、住んでいるのかというと、「いればなので ちを すえない ドラキュラ」や「ほうたいが たりなくて、じょうはんしんはだかの ミイラおとこ」。
そこへ、デーテルくんとスケーテルちゃんという2人の子どもがやってきたのですが、デーテルくんは、魔女の部屋で振る舞われた料理を食べて、なんと頭がかぼちゃになってしまいました。
さあ、大変! デーテルくんは、無事、元の体に戻ることができるのでしょうか?
完璧な姿ではないおばけたちにも、注目!
『おばけマンション』は、パネルシアターを絵本化したおはなしです。それほど子どもたちに人気が高い理由は、何といっても、親しみやすいおばけたちにあるのではないかと思います。
ドラキュラ、ミイラ男、オオカミ男、がいこつ……、登場するおばけは、どれもかわいく描かれているので、おばけに初めて出会う子どもでも、怖がらずに読むことができます。
ドラキュラなのに、入れ歯をしているため血を吸うことができなかったり、変身しきれていないオオカミ男だったり…… ユーモラスな弱点に、どこか読者も安心し、心を許してしまいます。
そのほかにも、ちょっぴり怖いけれど興味が湧く「こうもりの からあげ」「みみずの やきそば」などの魔女の料理に、あっと驚く最後の展開、年齢に合わせてイメージをふくらませながら読むことができること、などの魅力がたっぷりです。
ぜひ親子で「おばけマンション」を、のぞいてみてください!
にこっとポイント
- ユーモラスでかわいいおばけたちの住む「おばけマンション」が舞台のお話です。パネルシアター「おばけマンション」「おばけマンション2」をもとに、絵本化されました。
- 読んだ後に、おばけマンションには、ほかにどんなおばけ住んでいるのかを想像してみても、楽しいです。
(にこっと絵本 SATO)