なかなか春にならないとき、どうする?

はるがきた

『はるがきた』ジーン・ジオン文、マーガレット・ブロイ・グレアム絵、こみやゆう訳、2011 amazon

カレンダーを見ると、春はすぐそこ。でも、町は灰色です。芽生えの季節のはずが、春はどこにも見当たりません。

暗くて沈んだ気持ちの人々に、男の子が言いました― 「ぼくたちで まちを はるに しようよ!」。さて、人々はどんなふうに町を春に変えたのでしょうか? そして、そこに待っていたのは……?

 

『はるがきた』を開くと、春のきらめきと喜びがあふれ出してきます。人々の笑顔や、黄色・緑・青の気持ちいい明るさに、「あー、やっぱり春っていいな」と身体がぐんとのびるような気がします。

作者は、名作『どろこんこハリー』のジーン・ジオンとマーガレット・ブロイ・グレアム。細かいところまで描かれて見飽きることがない町の様子や人々の表情、葉の1枚1枚までがいきいきとした植物。

なにもかも、まっすぐなエネルギーに満ちています。ハリーと同じように、ね。

そして、そんなエネルギーは、心の冬をも春にできるのかもしれません。

悲しいことやままならないことで毎日を冬のように感じている人にも、この絵本をおすすめしたいと思います。自分の力ではどうにもなりそうにないことを、あきらめず軽やかに乗り越えていく姿、その先に待っていた素晴らしい「春」が、「きっといいことが待っているよ!」と語りかけてくれます。

にこっとポイント

  • なかなかやってこない春を待ちわびる気持ち、輝く春の喜びをたっぷり味わえます。暖かくなったり寒くなったりする季節にぴったりです。
  • 人生の「春」に向けて力を蓄えている人に、「きっといいことが待っているよ!」と力を与えてくれます。

 

(にこっと絵本 高橋真生)

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