PICK UP! ハロウィンに読みたい絵本
へびのくび

『へびのくび』 織田道代文、きくちちき絵、フレーベル館、2023 amazon

最初のページに、「ぼくは へびです。ながいです」と書かれているのですが、そのことば通り、へびさんは、とっても長いのです。

どのくらい長いかというと、次のページを開いても、まだまだしっぽが見えてこないくらい。

ある日、そんなへびさんのところへ、仲良しのとかげちゃんが、「くものす」と「はなびら」と「はっぱ」で作ったきれいなスカーフを持ってきました。

スカーフを枝にかけてながめていると、こねずみがやってきました。こねずみは、スカーフをマントのように羽織りますが、とかげちゃんは「これは マントじゃないの」と言います。

こりすやこうさぎもやってきますが、みんな巻き方を知らないみたい。

そこで、とかげちゃんが「これはね、スカーフ。くびに まいたら すてきなの」と言い、へびさんにモデルをお願いするのですが……。さて、どうなるのでしょうか。

この絵本の帯には、文を書かれた織田道代さんのことばも記載されています。

本物のへびに触るチャンスはなかなかありませんが、きくちちきさんがすてきに描いてくださったへびなら自由に触れます。へびの首はどこかな?と探しながら、やさしく触ってみてください。

へびが大好きな子も苦手な子も、へびさんにスカーフを巻く位置を考えながら、楽しく読める絵本です。

表紙には、青いへび、赤いてんとう虫、黄色のちょうちょなどが、とてもカラフルに描かれています。とかげちゃんが作ったスカーフにも、赤、青、黄、緑と、たくさんの色が使われています。タイトルの文字の色や、表紙と裏表紙のつながっている絵にも注目です。

明るい色づかいと、のびのびと表情豊かに描かれたへびさんやとかげちゃんたち登場人物が、とても魅力的で、見ているだけでわくわくしてきます。

にこっとポイント

  • 友だちのとかげちゃんが作ったスカーフをへびさんに巻こうとするのですが、首がどこか分からなくて……、というユーモラスなおはなしです。シンプルなストーリーで、幅広い年齢層で楽しめ、みんなが笑顔になれる絵本です。
  • へびさんがスカーフを巻いた後のストーリーを、考えてみても楽しいですよ。

(にこっと絵本 SATO)

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