「さあさあ、みなさん おまちかね。ケロリンピックが はじまります」― カエル村の村長さんの呼びかけで始まった、4年に一度のカエルのオリンピック。
『ケロリンピック』大原悦子文、古川裕子絵、福音館書店、2020 amazon
くさむら会場では、走り幅跳び、三段跳びに重量挙げの競技が行われています。
この絵本は、まさにカエル尽くし。画面の中ところせましと、ガマガエルやアマガエルなど、多種多様なカエルが入り混じって競い合い、応援し合っています。
応援や競技の小道具や、設定もカエルならでは。読んでいて、ニヤリとしてしまいます。
たとえば、おひさまが出ているよいお天気も、かんかん照りが苦手なカエルたちにとっては、「ざんねんなお天気」です。フラフラになってしまいますからね。
けれども、「フレー、フレー」という声を「降れ、降れ」と勘違いしたお天気の神様が、雨を降らせてくれました。
雨が降ってきて生き返ったカエルたち、とても楽しそうに、いきいきしています。沼地での泥だらけのバレーやサッカーも、さらに盛り上がります。
我が家のお気に入りは、オタマジャクシのメドレーリレーと、フナのりレース。
後ろ足の生えたオタマジャクシたちはとても愛らしいですし、フナのりは躍動感があり、その迫力や真剣な表情に引き込まれます。
最後の競技の「25ケロメートル自由形」に挑む100匹のカエルは、見応えがあります。1匹1匹の表情や様子を、細かいところまでぜひ楽しんでみてくださいね。
にこっとポイント
- にぎやかなカエルたちの愉快なスポーツ競技の様子に、元気をもらえる絵本です。
- リズムのよい文章と、カエルたちならではの競技に、大人も子どもも楽しみながら読むことができます。「○◯かえる」とカエルにちなんだことば選びも、くすっとできるポイントです。
(にこっと絵本 Haru)