『オレ、カエルやめるや』デヴ・ペティ 文、マイク・ボルト 絵、小林賢太郎 訳、マイクロマガジン社、2017 amazon
「あのさ、おとうさん。オレ、ネコになることにするや」
突然の子ガエルの発言に、ネコにはなれないことを伝えるお父さんガエル。子ガエルは、「オレ、カエルやなんだよね」と、不満気です。
「じゃあ、オレ、ウサギになることにするや」と、今度は、ウサギになりたくなっちゃった子ガエル。お父さんガエルは、ウサギになることも無理だとていねいに伝えます。
さて、まだまだ続くこのカエルの親子の会話、いったいどこへいきつくのでしょうか?
親子のユーモラスな会話、その展開にも注目!
『オレ、カエルやめるや』は、カエルの親子のやりとりでお話が進んでいきます。
会話の文章は、漫画のように吹き出しの中に、手書きしたような文字で表現されています。「ネコ」や「ウサギ」など、ポイントになることばが太字になっていたり、強調したい字が大きくなっていたりと、読者が読みやすくイメージしやすいように工夫されています。
子ガエルのちょっぴり生意気な口調やお父さんガエルの返事等、ユーモアあふれる会話そのものを楽しむこともできるし、子ガエルを読者自身に置き換えてみたりすることで、自分自身を見つめるような深い読み方ができるのも魅力です。
主人公のカエルくんのように、「自分をやめて、別の誰かになってみたい」と、思ったことのある人、ぜひ、読んでみてください!
にこっとポイント
- カエルをやめたくなった子ガエルと、そのお父さんガエルの親子の会話が楽しい絵本です。
- 裏見返しの動物たちと一緒に、ジャンプするカエルくんの笑顔も、素敵です。
- アメリカでも大人気の「カエルシリーズ」、他に『オレ、おおきくなるのいや』『オレ、なんにもしたくない』『オレ、ねたくないからねない』等があります。
(にこっと絵本 SATO)