冬になるとよくお世話になる野菜― それは、白菜。お鍋にしたり、お浸しにしたり、いろんな料理に使えて便利な野菜ですよね。
『ちいさなはくさい』くどうなおこ作、ほてはまたかし絵、小峰書店、2013 amazon
ある畑に、白菜が植えられました。畑のそばには、柿の木があります。柿の木の下に、畑から飛び出した白菜が一株。種が飛んだのでしょうか?
赤ちゃんの白菜は自分のことはなんにも知らないので、柿の木にいろんなことを教わりながら大きくなります。
そのうちに出荷の季節になりましたが、小さめだった白菜は収穫されずに畑に残ることになりました。
「春を待って、花を咲かせてちょうちょと遊びな」そう言われた白菜は、冬を越して春を迎えるのです。
みんなと一緒に大きくなること。みんなと一緒に八百屋に行くトラックに乗ること。
一時は、そうありたいと強く願った白菜でしたが、柿の木やトラックのお兄さんの見守りに、しだいに自分らしさを受け入れ「自分のいる場所で、自分のできることを精一杯やる」というふうになったのでした。
私もそうありたいと心に決めていますが、時折弱気にもなります。春を迎え、ぐんと胸を張って、きれいな花を咲かせた白菜の姿は、私に「強さ」を教えてくれました。
にこっとポイント
- 「自分のいる場所で、自分のできることを精一杯やる」ことの大切さを思い出すことができます。
- 卒業や進学など新たなステージに立つ人への贈りものとしていかがですか?
(にこっと絵本 森實摩利子)