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ひとしずくの水

『ひとしずくの水 A DROP OF WATER』ウォルター・ウィック著、林田康一訳、あすなろ書房、1998 amazon

水は、当たり前のように私たちの身近にあるものです。蛇口をひねれば流れ出てくる。空から雨粒となって降ってくる。でも、それだけではない、様々な水の姿があるのです。

『ひとしずくの水 A DROP OF WATER』では、わかっていたようで、よく理解していなかった本当の水の性質を、美しい写真とともに、じっくりと眺めることができます。

『ミッケ!』の作者が撮った、改めて見る水の姿

「水ってこんなに綺麗で、こんなにいろいろな顔を持っているんだ!」と、この絵本を開いた人みんなが、衝撃を受けるのではないでしょうか。

ひとしずくの水がぽたりと落ちるその瞬間にも、水は形を変えます。温度が変われば氷となり、蒸発して消えたかと思えば、水蒸気から水へとまた姿を変えます。雲、雪、露、霜、虹 ……と、私たちの身のまわりには本当にたくさんの姿をした水が存在していることに、改めて気づかされます。

トリック撮影などは使わず撮影したというこの絵本の写真は、水の一瞬一瞬の姿を切り取っており、いつまでも眺めていられるほど魅力的です。「表面張力」「毛(細)管現象」「凝結」と小難しく感じる専門用語も、美しい写真にその性質を写し出されているので、すとんと理解できてしまいます。

たくさんの水の姿を科学的に知り、私たちの住むこの地球を巡り続けている水たちの「終わりのない旅」にみなさんも思いを馳せてみませんか。

にこっとポイント

  • ひとしずくの水が見せる一瞬を、写真で鮮やかに切り取った科学絵本です。
  • 絵本をきっかけに興味の世界が広がり、自由研究のきっかけにもなりそうです。
  • 作者は、子どもたちに人気のパズル絵本『ミッケ!』シリーズの著者。ありのままの水を写した美しい写真で、水の性質を視覚的にもよく理解することができます。

 

(にこっと絵本 Haru)

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