「ぼくは、かっこいい消防士。ひとりで服を着替えて、さっと準備ができるんだ! 火事を消すこともできるし、消防車のことなら、なんでも知っているよ」
…… でも、それだけでは、消防士には、なれません。他には、どのようなことが必要なのでしょうか?
『ぼくはしょうぼうし』トンマーゾ・ブルキエッティ作、シルヴィア・バロンチェッリ絵、やまねかずこ訳、潮出版社、2021 amazon
『ぼくはしょうぼうし』の作者・トンマーゾ・ブルキエッティは、子どものころから消防士になりたいと願い続け、その夢をかなえた、イタリアで活躍する本物の消防士です。
文はシンプルで、小さな子どもでも読みやすいですし、絵はとてもカラフル。特に、消防士から連想される消防車の「赤色」は、どのページもひときわ鮮やかで、印象に残ります。
消防士になるための直接的な訓練には、子どもの読者は、まだ参加することはできません。でも、消防士になるために大切なことを知り、今遊んでいる友だちとの間で、その心を育むことができる― ということが伝わってきます。
消防士や消防車に興味を持った子どもへ、おすすめの絵本です。
にこっとポイント
- 消防士になるために必要なことが、子どもの目線で分かりやすく描かれています。
- 子どもの頃からの夢を叶えた、本物の消防士の想いが詰まった絵本です。裏表紙には、作者の顔写真と自己紹介文も載せられています。それを読むと、大学時代のこと、現在情熱と誇りを持って、消防士の仕事に取り組んでいることなども知ることができます。
- イタリアの獣医が作者の『わたしはじゅういさん』も、出版されています。
(にこっと絵本 SATO)