季節を食で楽しむ― 春の豊かさを自分の手で摘み取るうれしさを感じて。

よもぎだんご

『よもぎだんご』(かがくのとも傑作集 わくわく・にんげん)さとうわきこ作・絵、福音館書店、1989 amazon

「よもぎだんご作ろう」と春の野へ子どもたちを連れ出した、ばばばあちゃん。ぽかぽかと気持ちのよい春の野原には野草がいっぱいで、子どもたちは野草摘みにいそしみます。

よもぎやよめな、のびる、つくし、いたどりと、たくさんの野草を摘んだら、次はお料理。野草の香りを感じながら、おだんごやおひたしにしていく様が、とても楽しい1冊です。

「やってみたい!」を引き出す絵本

『よもぎだんご』を含むばばばあちゃんのシリーズは、「自分もやってみたい!」と読む人をうきうきわくわくさせる魅力があります。

よもぎだんご

この絵本でも、野草を舐めてみたり、香ってみたりしながら摘んでいく子どもたちは、春の日差しの中できらきらと輝いているよう。できあがった春の野草料理を囲みながら、笑い合うばばばあちゃんと子どもたちの笑顔に、読んでいる私たちまで嬉しくなってしまいます。

 

実は『よもぎだんご』は、私の幼稚園時代の思い出の1冊― 私もこの絵本に魅了された子どもの一人だったのです。

幼稚園で先生にこの絵本を読んでもらった私は、「家でお母さんによもぎだんごを作ってもらうんだ!」と大はりきり。園庭に植えてあった菊の葉をよもぎと勘違いして大量に収穫し、先生にお叱りを受けたのでした。

園庭の葉をむしってはいけないと学んだ一件ではありましたが、その後は本物のよもぎの香りを知り、よもぎだんごは私の大好物となりました。

そして今、娘も、ばばばあちゃんシリーズが大好きで、「お料理のお手伝いをやりたい!」とはりきっています。

 

絵本は、私たちに新たな出会いや経験を与えてくれます。ほんの短い時間、その1冊に触れるだけでもその人のこれからを豊かにするきっかけにもなり得ます。

『よもぎだんご』は、今の子どもたちに、そしてかつて子どもであった大人たちにも、日本の四季を感じながら毎日の生活を楽しむことを教えてくれる絵本です。

にこっとポイント

  • 四季を感じ、料理をする楽しさを教えてくれます。
  • 実際に春の野原にいて駆け回るような気持ちになれます。今ではなかなか春の野原も身近には見つからないこともありますが、この絵本の中で満喫できるはずです。

 

(にこっと絵本 Haru)

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