『おばあちゃんのおせち』野村たかあき、佼成出版社、2008 amazon
もうすぐお正月。おばあちゃんのおせちづくりを、孫のきりちゃんもお手伝いします。
まずは、商店街に買い出しです。魚屋さん、乾物屋さん、八百屋さんで、おせち料理の材料をそろえます。家に帰って、エプロンをつけたら、さっそく下準備です。
12月28日から元日までの家族の様子が、おせちづくりを中心に描かれている『おばあちゃんのおせち』― おばあちゃんや家族のあたたかさが、版画絵を通して伝わってきます。
日本の伝統に触れ、年末年始を大切に過ごしたくなる
家族みんなで大掃除をしたり、お父さんと弟がお正月飾りを買ってきたりと、おせちづくりだけではなく、お正月を迎えるための準備をする家族が描かれていることも、この絵本の魅力だと思います。
また、おせちを作るおばあちゃんと、お手伝いをする孫のきりちゃんのやりとりが、とてもほほえましいんです。
おばあちゃんは、料理方法を教えるだけではなく、「くろまめは、らいねんも まめに くらせますようにと、ねがいを こめて にるんだよ」など、料理に込められた願いまで、しっかりと伝えてくれます。読んでいると、まるで自分もおばあちゃんに教わっているような気分になります。
完成したおばあちゃんのおせちは、とても豪華!
黒豆に栗きんとん、えびの塩焼きに、ぶりの照り焼き……、思わず手を伸ばしたくなるほどのできばえです。
伝統の良さに改めて気づかされ、年末年始を大切に過ごしたくなる絵本です。
にこっとポイント
- おせちづくりを中心に、家族でのお正月の迎え方が描かれた季節の絵本です。あたたかさが、版画絵からも伝わります。
- 巻末に、料理研究家・堀江ひろ子さんのおせち料理についての解説があります。
- 「おばあちゃんの行事食シリーズ」には、他に、『おばあちゃんのえほうまき』『おばあちゃんのおはぎ』『おばあちゃんのななくさがゆ』『おばあちゃんのひなちらし』が出版されています。
(にこっと絵本 SATO)