6人の子どもたちが、顔を寄せて何かをたくらんでいるようで、にやっとしたくなる感じの表紙です。
『こどもかいぎ』北村裕花作・絵、フレーベル館、2019 amazon
表紙をめくると、おじさんみたいな子どもが神妙な顔つきで「ガチャ」とドアを開けて部屋に入ってきます。
そして、タイトルにある「こどもかいぎ」が始まるのです。
おじさんみたいな子どもの名前はけんたくん。議長さんです。
お題は、怒られたときはどうしたらいいか。子どもたちは、自分の経験や意見を言い合いますが、自己主張合戦のあげく、けんかになってしまいます。
でも、議長さんの采配で、素敵な結論に達するのです。どのような結論なのかは読んでからのお楽しみ!! です。
ところで、この絵本は幼稚園や保育園の年長児に読んでほしいと思います。テキストは決して長くありませんが、「こどもかいぎ」を理解できるのは年長児ではないでしょうか?
先日、卒園を控えた子どもたちに読んだのですが、静かに見ていました。
そして、終わったとたんに「面白かった!」と言う言葉が、神妙な感じの言い方で聞こえました。誰もが怒られた経験があるからだと思います。
できれば親御さんにも同じように感じてもらえればいいなぁ、と元保育者は思いました。
にこっとポイント
- 子どもたちが、怒られたときにはどうすればいいかを話し合う、子ども会議のお話です。素敵な結論をお楽しみください。
- 北村裕花さんの描かれる子どもたちの表情が、読み手に臨場感を与えくれます。真剣に何かに取り組んでいる時の子どもの姿が具体的に想像できます。
- 本文では、年長児に読んで…と書きましたが、ご家庭ではそれにこだわることなく読んであげてみてください。
(寄稿: 絵本専門士<東京都> 鴫原晶子 / 保育者養成校講師)