ネコが主役のネコリンピック、そのたった一つのルールとは?
『ネコリンピック』益田ミリ作、平澤一平絵、ミシマ社、2014 amazon
東京オリンピックの観戦チケットの申し込みが始まりました。これからますます世間はオリンピックモードに突入!
そこで、今日はまた別のオリンピックをご紹介します。その名も「ネコリンピック」。
ネコリンピックは、名前の通り、主役はネコ。数々の種目がありますが、参加するみんな違うネコたちなんです。
さあ、競技を見てみましょう。かけっこなのにサッカーしていたり、ボクシングしたりしている、自由奔放なネコたちは言います。
「好きなところからでいいんだってにゃ~」「好きなときにはじめればいいんだってにゃ~」
頑張るのもいいし、休むのもいい、応援するのだっていい……。
じ、自由すぎる!!
だけど、一つだけルールがあるんです。それは、誰かを傷つけることはダメだということ。
自由であることって、いいことのように思いますが、そこには責任が伴います。
一見自由なネコたちですが、自分で選んで、自分で決めて、やってみるのはなかなか難しいことでもありますよね。
人と比べて、競って「一番になること」「勝つこと」も大事ですが、自分で決めて自分でやって、そうしてその責任も自分でとる― これも大事。
「み~んなメダルがもらえますにゃ~」
ゆるいんだけど、決してゆるくない。味わい深い一冊です。
にこっとポイント
- ゆるいようで、決してゆるくない、味わい深い一冊です。
- 製本にも一工夫。見返しの応援しているネコたちにもご注目ください― 「応援するのも、いいんだってにゃ~」。
(にこっと絵本 森實摩利子)