期待と不安でいっぱいなのは、したじきくんたちも同じです。
『したじきくんとなかまたち』二宮由紀子文、山村浩二絵、アリス館、2017 amazon
入学式が終わり、明日から小学校の授業が始まります。
目覚まし時計やごみ箱たちが「おめでとう」と言ってくれますが、したじきくんは、浮かない顔。それどころか、はりきっているえんぴつたちを見て、「きみたちは いいよ。おんなじ えんぴつたちの なかまが いっしょに いるもん。ぼくなんか、ひとりっきり」と落ち込みます。
けしごむは、自分もひとりきりだと言ってくれますが、えんぴつと一緒に筆箱へ入っていってしまいます。でも、したじきくんは、大き過ぎて入れません。
クレヨンの箱にも、いろえんぴつの箱にも、入れないしたじきくん。そこへやってきたのは……?
新1年生と同じ気持ちのしたじきくんに、パワーをもらおう!
小学校から使用する頻度がぐっと上がるのが「下敷き」。この絵本に出てくるのは、そんなしたじきくんと、その周りにいるたくさんの文房具たちです。
初めて小学校へ行くときの期待と不安が、したじきくんと文房具たちの会話から、とてもよく伝わります。
「私たちの知らないところで、文房具たちは、こんな会話をしているのかな?」と想像すると、文房具を見る目も、ちょっと変わるかもしれません。
絵は、カラフルでやさしい色づかいで、一つひとつの文房具の表情まで丁寧に描かれています。
学校へ行くために新しく揃えた文房具たちも、新一年生と同じようにドキドキしているのだと思うと、とても心強くなれる一冊です。
にこっとポイント
- したじきくんと身近な文房具たちとのやりとりから、学校へ行く勇気がもらえます。入学祝いのプレゼントにも喜ばれます。
- 23cm×18cmと、小さめで持ち歩きたくなるサイズです。
- 入学前に読んで、小学校に入り、下敷きを使うようになったら、もう一度、読み返したくなる一冊です。
(にこっと絵本 SATO)