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むにむに じょわじょわ 草花たちがさわいでいる
けもののにおいがしてきたぞ
ペテペテペテペテ ザーゾーザーゾー

けもののにおいがしてきたぞ
『けもののにおいがしてきたぞ』ミロコマチコ作、岩崎書店、2016 amazon

そこは、むせ返るような獣たちの「におい」がたちこめる獣道。『けもののにおいがしてきたぞ』の表紙を開いたその瞬間から、その荒々しさと生命力に圧倒されるはずです。

目・耳・鼻、フル活用で感じてみよう! 「におい」のする絵本

びるびる ターッターッ みゃんみゃん
ヌソヌソ ガムルガムル ボギザダ

この絵本には、私たちの五感を刺激する表現があふれています。

まず、耳。けものたちがひしめき合い、荒々しく生命が躍動する音が聞こえてきます。「何がいるの!?」「何をしている音?」と聞いたこともないような音が、私たちの想像力をかき立てます。

次に、目。この絵本の文字は手描きです。整備されていない生の表現から、荒々しさや怪しさなどが感じ取れるはずです。

そして、鼻。「におい」です。獣道を通り過ぎていくのは、虫? イノシシ? 鳥? いいえ、そこに存在しているのは私たちの知る定義に当てはまるような動物などではなく、まさに「けもの」なのです。

獣道の向こうから、息遣いが聞こえてくるような緊張感。私たちを鋭く射るようなけものたちの視線。

この絵本を読み進めるうちに、その臨場感からどこか湿ったような空気の中のむせ返るけものの「におい」がきっと鼻腔に広がっていくはずです。

ここは けものみち 
だれでも とおって いいところ

私たちも「けもの」となってその生命のパレードに加わるのもよし、その百鬼夜行のような「けもの」たちの行進を見物するのもよし。

さて、あなたはこの絵本を読んでどうしたくなるでしょうか。

にこっとポイント

  • 生命力あふれる絵本です。「におい」から、荒々しい生命を感じる絵本経験をすることができます。
  • 音の表現では、「ずぐんずぐん」「ヌソヌソ」のように、ひらがなとカタカナの書き分けにも注目です。その違いによって、感じ方がまた異なってくるはずです。

(にこっと絵本 Haru)

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