イヌ派もネコ派も、旅好きも、きっと楽しめる絵本です。

ベンジーのふねのたび

『ベンジーのふねのたび』マーガレット・ブロイ・グレアムさく・え、わたなべしげおやく、福音館書店、1980  amazon

 

耳が長くてしっぽが短い、茶色の犬のベンジー。うちの人たちとの夏の旅行を、毎年楽しみにしています。ところが今年は、お留守番。皆は、犬の乗れない船で旅をするというのです。

ベンジーのふねのたび

預かってくれたおばさんと散歩に出かけたベンジーは、首輪を外して港へ一目散に駆け出しました。皆が乗った船にそっくりな「うみのじょおう」に乗り込みます。

でも、そこにいたのは、「うみのじょおう」を自分の船だと思っている、猫のジンジャー。ジンジャーは、稲妻のようにベンジーを追いかけてきて……。

とことん楽しい、ベンジーと一緒の船旅

やさしいタッチで描かれた海と空は、穏やかで気持ちよく、家族写真の貼られた船室や、ハンバーグのにおいのする調理場など、航海の日常は楽しくて、読者のいる「今ここ」を船の上に変えてくれます。

そして、なんといっても魅力的なのは、登場人物、特にベンジーとジンジャーです。うれしい、寂しい、むむっ!― なんて、思っていることがひと目で分かる顔は、つい笑ってしまうほどの愛らしさ。

心は正直、行動力はたくましく、目が離せません。絵本を読んでいると、いつの間にかベンジーたちとそっくりな表情で、ドキドキハラハラしていてしまいますよ。

さて、船を下りた後はどうなるのでしょうか? ベンジーには、再会した家族とのうれしい出来事が、読者である子どもたちには壮大な船ごっこが、待っています。

にこっとポイント

  • とにかく楽しい絵本です。素直で明るいハッピーエンディングで笑顔になれます。

グレアムの絵本、こちらもどうぞ!

 

(にこっと絵本 高橋真生)

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