少し大人の桃太郎。一緒にのぞいてみませんか?

空からのぞいた桃太郎

『空からのぞいた桃太郎』影山徹作、岩崎書店、2017  amazon

 

日本の代表的な昔話、「桃太郎」。たくさんの絵本が出版されていますが、今日は、少し違った視点からの作品をご紹介します。

それが、『空からのぞいた桃太郎』。タイトルの通り、「空」から桃太郎の物語をのぞきます。

お話そのものはおなじみの展開で、大きくなった桃太郎が、きびだんごを持ち、犬、サル、雉をお供につけ、鬼退治に出かけるのですが……。

作者の影山徹さんは、小学校社会の教科書の表紙なども手がけているイラストレーター。その手腕が発揮された俯瞰図で描かれた自然の様子は、発見がたくさんあります。

たとえば、桃が流れてくる川は、上流の石は大きくてゴロゴロしているけれど、おばあさんが洗濯している下流の方は、石も小さくなり、流れが緩やかです。森の中には様々な動物が潜んでいます。こんな絵探しも、楽しいんです。

空からのぞいた桃太郎

鬼が島では、鬼たちの暮らしぶりも描かれています。鬼たちの日常は、私たちと何ら変わらず、桃太郎が来るまでは、穏やかな日常があったわけです。

これを見ると、退治されてしまう鬼たちが少々かわいそう……。

これは、いつもと変わった視点で見ているからこそ、感じられる心の動きなのかもしれません。

「知っていること」「あたりまえだと思っていること」も、視点を変えると違って見えてくるということを感じさせてくれるこの作品。子どものためというよりも、大人同士で読んで、感想を話し合うなど、楽しみつつ、自分の視野を広げる体験をしてみたいものです。

少し大人の桃太郎。読書の秋にぜひ読んでみてください。

 

にこっとポイント

  • お子さんはもちろんですが、私はやはり、大人に読んでもらいたい。大人同士で語り合ってみませんか?

 

(にこっと絵本 森實摩利子)

 

 

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