PICK UP! 空のきれいな季節に……「飛ぶ」絵本

男の子がウシさんの背中に乗っておさんぽ、そしたら、眠くなっちゃった。

おねんねさんぽ

『おねんねさんぽ』よぎまさゆき作、キーステージ21、2017  amazon

 

眠って、ウシさんの背中から落っこちそうなところを、ゾウさんがお鼻でキャッチ、お次は、どうなる? 何が起こっても、目を覚まさない男の子、森から、海、空へ。美しい自然の中を、おねんねで大冒険です。

この絵本には、文字がありません。絵だけで語られる、文字なし絵本です。「文字のない絵本を、どうやって読んだらいいの?」と思うかもしれませんが、簡単です。親子で一緒に、その時の気分でお話を作ればいいんです。

きっと、読む人によって違いますし、同じ人でも読むたびに違うお話になることもあるでしょう。また、最初から最後まで通して、お話を作らなくても、好きな絵だけを眺めることもできます。いろんな楽しみ方ができる絵本です。

おねんねさんぽ

開くと、すっとこの絵本の世界に入ってしまう、魅力的な絵は、著者の与儀勝之さんオリジナルの「琉球イラストレーション」。美しくて、鮮やか、そして不思議な絵は、紅型(びんがた)、螺鈿(らでん)細工、影絵などの沖縄の伝統文化からインスピレーションを受け、生みだされたものです。「こんな絵の絵本、見たことがない」と、大人もワクワクします。

おねんねさんぽ

海や空、大自然の中にいる動物たちからは、パワーを感じるとともに、ぐっすり眠る男の子を包んでくれる優しさを感じます。

にこっとポイント

  • 親子でお話を作って楽しむことも、大人がアートとして楽しむこともできる、沖縄のアーティスト・与儀勝之さんによる「琉球イラストレーション」絵本です。
  • キラキラ輝くような、不思議な紋様で描かれた動物たち。その中には、お花や葉っぱ、ネコやタツノオトシゴが隠れているんです。見つけられるかな?

 

(寄稿:絵本専門士<横浜市>えほん・とんとんみーず Yusaka 「こどもの本のみせ ともだち」)

 

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