しずしずと大真面目に進む大名行列を襲うアクシデントとは!?

大名行列

『大名行列』シゲリカツヒコ作、小学館、2018 amazon

「したにー、したにっ!」大名行列が通ります。人々は道のわきに寄って頭を下げますが……。

あれ? 馬が大きい?

もうそこから、ハプニングが起こるやら奇想天外な乱入者が現れるやら、怒涛の展開がとまりません。

実は『大名行列』は、大名行列を描いた歴史の絵本かと思いきや、ナンセンス絵本なのです。出発点までさかのぼりながら、大名行列を見守ります。

子どもたちも大好きな、にぎやかな乱入者たち

しずしずと進んでいく大名行列を乱す、イレギュラーな出来事がこの絵本の大きな魅力になっています。

まず始めの場面では、ものすごく大きい馬から殿様が落ちそうになっていて、ポチ(!)は馬に噛みつき、仲間は馬に蹴飛ばされて飛んでいく― 波乱の幕開けです。

その後も、忍者に、お相撲さんに、妖怪に、マンモス、恐竜、河童……。見開きの画面いっぱいに、奇想天外な乱入者たちが縦横無尽に駆け回わりますが、この乱入者たち、子どもたちの大好きなものばかりなんですね。

私の3歳の娘も、ページをめくるごとに声をあげて、画面の隅から隅までを舐めるように見ているので、読んでいる私まで一緒に乱入者探しに熱中してしまいます。

乱入者たちにも動じない大真面目な行列に、ニヤリ

そして、この絵本の面白さを際立たせているのが、大名行列で進んでいく人たちです。妖怪に舐められたり、お相撲さんと取り組みをしたり、海の中を通ったりと様々なアクシデントに巻き込まれる彼らは本当に大変そう。

けれども、忍者の戦いに巻き込まれて手裏剣の飛び交う場面でも、あたふたとしゃがみこむ二人以外は、前だけを向いてポーカーフェイスを貫いています。担いでいる箱に手裏剣が刺さっていても、です。

そのギャップが何とも面白くて、大人でもニヤリとしてしまうのです。

にこっとポイント

  • 子どもが大好きな乱入者がいっぱい登場します。その訳は、大名行列の元をたどってみるとわかるかもしれません。
  • 写実的な絵で、画面の細かなところまで描きこまれています。隅から隅までじっくり眺めてみるとたくさんの発見があるはずです。
  • 「したにー、したにっ!」と同じリズムで、他のセリフも読んでみると大名行列の世界をより楽しめます。
  • 作者シゲリカツヒコさんの、子どもの視点に立って描かれた『ぼくはまいごじゃない』もおすすめです。

 

(にこっと絵本 Haru)

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