春。入学、入園、進級、入社など、新しいステージに向かうことが多い季節です。
新しいことには不安がつきもの。そんなときに、この一冊はいかがでしょうか?
『みんながおしえてくれました』五味太郎作、絵本館、1983 amazon
「あるきかたは ねこがおしえてくれました」「はなのかおりや あじのことは ちょうちょに おしえてもらいました」
いろんな動物が、それぞれが得意なうまいやり方を教えてくれる、という内容です。
おぎゃあとこの世に生まれてから、私たちはいろんなことを教えてもらって大きくなってきました。
親に、先生に、上司に……「教わる」ということは大人になってもずっと続くものですが、大人になると少々頑固にもなったりして、新しい学びには及び腰になることがあるかもしれません。
その点、子どもは柔軟です。何でも吸収していくその姿を見ていると、なんだかうらやましい気持ちになりますね。
そして、「教わる」ことは一方通行ではなく、教えてもらって、自分もまた誰かに教えて、また誰かに教えてもらって― と、この繰り返しで続くもの。また、教える側も教わる人から学びます。
子どもたちの素直で柔軟な様子から教わるべきことは、実はたくさんあるのかもしれません。
お互いにお互いを尊重しつつ、そうして生涯成長していきたいものです。
にこっとポイント
- 新入生は緊張いっぱいの季節です。ゆっくりとこの絵本を読んであげてください。大丈夫、大丈夫。みんなが教えてくれるからね。
(にこっと絵本 森實摩利子)