いずみがもりにある「からすのパンやさん」で生まれた4羽の赤ちゃん。身体の色にちなみ、オモチちゃん、レモンちゃん、リンゴちゃん、チョコちゃんと名付けられました。
『からすのパンやさん』かこさとし、偕成社、1973 amazon
カラスのお父さんとお母さんは、パンやに子育てにと大忙し! 赤ちゃんが泣くたび、お世話をするので、パンが焦げしたり、お店が散らかったままになったりして、だんだんお客さんは減ってしまいました。
けれど、4羽の子どもたちは、焦げたパンや半焼きパンをおやつに、元気に育ちます。
そんなある日、子どもたちの友達が、おやつパンを大絶賛! そこで、家族みんなでたくさんのパンを作りました。素敵なパンの噂を聞きつけたカラスたちは、夜も明けないうちから、パンやさんへ押し寄せます。それが、なんと大騒動に……。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』をはじめとする「だるまちゃん」シリーズでも有名なかこさとしさんの、40年以上読み継がれているロングセラー絵本です。
からすのパンやさんの、イメージが膨らむおいしそうなパン!
「パンダパン、かわいい!」「やかんパン、初めて見た!」「ながぐつパン、おいしいのかな?」「ピアノパン食べたら、ピアノ上手になるかな?」80種類以上のパンが、見開きに余すところなく描かれているページでは、子どもたちから様々な声が飛び交います。
子どもも大人も一緒になって、どれがいいかな?とわくわくします。
勤務先の児童館で、地域のパン屋さんに協力してもらった「パンづくりイベント」でも読みましたが、想像豊かなパンにつなげることができ、大好評でした!
「うちもそう!」丁寧に描かれたカラスの家族
物語に出てくるカラスの家族が、とても丁寧に描かれていることも、この絵本の魅力です。読後に、あるお母さんから「うちも、バタバタでこんな感じです」との感想をいただきました。
赤ちゃんが生まれて、仕事に子育てに奮闘している様子に、共感する方も多いのではないでしょうか?
4羽のその後の物語も楽しい!
4羽のカラスの赤ちゃんの成長は、物語を通してもみられるのですが、さらにその後にも興味がある方へ、続編が出版されています。
『からすのおかしやさん』ではチョコちゃん、
『からすのやおやさん』ではリンゴちゃん、
『からすのてんぷらやさん』ではレモンちゃん、
『からすのそばやさん』ではオモチちゃんの、
成長した姿が描かれています。
ぜひこちらも合わせて読んでみてください!
にこっとポイント
- あとがきでは、かこさとしさんの作品に込められた想いも知ることができます!
- 読後、パンを作りたくなった人へ、『絵本「からすのパンやさん」のパンをつくろう!』という本も出版されています。
(にこっと絵本 SATO)