『くまじいちゃんのクリスマス』の表紙には、うさぎさん家族の「雪だるま」が勢ぞろいしています。
『くまじいちゃんのクリスマス』やすいすえこ文、いもとようこ絵、女子パウロ会、1997 amazon
私は、最初は白うさぎが登場するのかとも思いましたが、よく見ると、鼻が、どんぐりやにんじんなどになっていることから、これは雪だるまだと確信しました。
そう、このお話は、表紙にも描かれているうさぎの雪だるまが、キーポイントになっているのです。
クリスマスにあそびにきてください。まっています
ほっこりやまで暮らすくまじいちゃんのところに、仲良しのうさぎさん家族からの手紙が届きました。
雪山を越えるのは、年寄りにはこたえるし、冬ごもりもしなくちゃならんし……。くまじいちゃんは、どうしようかと迷いますが、うさぎさん家族に会いたくて、遠い山道を進むことを決意します。
真っ白な冬の雪山、冷たい雪を「ずっくん ずっくん」踏みながら、くまじいちゃんは進みます。
やっとてっぺんに着いたとき、こうさぎのミンミの雪だるまを見つけて、びっくり!
雪だるまと一緒に置いてあった大好きなはちみつをいただき、くまじいちゃんは、元気もりもりになりました。
しばらく歩いていくと、またうさぎの姿の雪だるまを見つけて……。
出かける前はひとりで歩く大変さを考えていたくまじいちゃんですが、いざ出発してみると、道のあちこちに、うさぎさん家族からの素敵な「おもてなし」が用意されていたのです。
まるで道しるべのように置かれていたのは、うさぎの家族そっくりの雪だるまと、くまじいちゃんの大好物や雪道を滑ることのできる道具等でした。
くまじいちゃんが楽しく家までたどり着けるような工夫が、とても魅力的なクリスマス絵本です。
にこっとポイント
- うさぎさん家族とくまじいちゃんのお互いへの思いに、心があたたまるおはなしです。
- 絵本には、描かれていない場面も、イメージしてみると楽しいですよ。たとえば、くまじいちゃんのために、一生懸命うさぎの雪だるまを作っているうさぎさん家族は、どんなふうだったのでしょうか?
- かわいらしい絵本なので、クリスマスプレゼントとしても喜ばれます。
(にこっと絵本 SATO)