1冊の絵本で、清涼感を味わってみませんか?

トマトさん

『トマトさん』田中喜代作、福音館書店、2002 amazon

夏が暑いのは当たり前ですが、今年のように人間の体温を上回る気温の日々が続くと、ウンザリしてしまいます。そんなとき、ぜひ! 手にとっていただきたいのがこの絵本です。

表紙には画面いっぱいのインパクトのあるトマトさんのアップが、裏表紙には存在感を感じるトマトさんの後ろ姿が、ダイナミックに描かれています。

まん丸で真っ赤でずっしりと重たそうなこのトマトさん、少々プライドが高いようです。

じりじりと太陽が照りつける暑い夏の日に、ミニトマトやトカゲたちが、川で楽しんでいるのを横目に「フン!」という態度。「トマトさんもおよいだら」という嬉しいお誘いに対しても「ぷかぷかおよぐなんて みっともないでしょ」。

でも、本当はトマトさんには、川に入れない事情があったのです。

だんだん暑さに耐えられなくなったトマトさんは、涙をこぼし始めます。そして、優しい虫やトカゲたちに手伝ってもらい、とうとう「じゃっぷーん!」と川の中へ入ることができました。

トマトさんの嬉しそうな顔に、見ている子どもたちもつられて笑顔になってきます。

川の中でたっぷりと涼んだトマトさんたちは、川辺に上がって一休み。読後も、涼しい風が吹いていきます。

にこっとポイント

  • 絵本の中に吹いている風を感じることが出来るような、清涼感・爽快感を味わうことができます。
  • より清涼感を味わうために、トマトさんとミニトマト、トカゲたちのことばには軽く声色をつけるなどして、読むといいでしょう。

 

 

(寄稿:絵本専門士<東京都> 鴫原晶子)

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