冬のこの時期、天気予報のマークが雪だるまになっていると「うわっ!」と喜んでしまう私です。
南国育ちにとって、「雪」は特別なもの。キーンと冷えた空気の中を、ふわりと舞い落ちてくる白い冷たいかたまり……今日はあこがれの「雪」を描いた絵本をご紹介します。『ゆき ふふふ』。
『ゆき ふふふ』ひがしなおこ作、きうちたつろう絵、くもん出版 、2010 amazon
歌人・東直子さんと画家・木内達郎さんが、ことばと絵で季節の風景を印象的に描き出していく「きせつのおでかけえほん」シリーズの中の一冊。
寒い冬空、舞い落ちる雪が降って降って積もってあたりは真っ白。子どもたちが雪玉の「まっしろちゃん」を作ります。
雪遊びをしているところにお日様の光がさして、そうして少しずつ溶けていく。
キーンとした寒さ。ほっぺやおでこに落ちる雪の冷たさ。夢中で遊んでいると汗をかくほど暑くなる。お日様が照ってきて冷たい空気が緩む感じ。
絵本の中から、温度や手触り、音が伝わってくるのは、イラストの力? それともことばの力?
版型は小さめなのに、そこから広がる世界はどこまでも奥行きがあって、絵本からどんどん雪の世界が広がります。
なかなか味わえない「雪」に、強くあこがれをもってしまう南国人なのでした。
にこっとポイント
- 小さめの判型なのに、絵本からどんどん雪の世界が広がる絵本です。
- 「きせつのおでかけえほん」シリーズは他に、『あめ ぽぽぽ』『ほわほわ さくら』『うみ ざざざ』『さわさわ もみじ』があります。季節に合わせて楽しんでみてください。
(にこっと絵本 森實摩利子)